昨年開かれた公式イベントのバトエングランプリで1位に輝いたルビさんから、「バトエン考察」という文章をいただきました!
今回はルビさんの原稿をもとに、僕(おてう)が所々にスクショを入れたり細部を編集したものを公開します。
なおルビさんはタクティカルピックルール(相手に禁止されたバトエン以外でデッキを構築)で10位、マイデッキルール(制限なし)で1位の成績でしたが、今回はマイデッキルールに関する考察になります。「まえがき」から先がルビさんの書いた文章です。
まえがき
本稿は筆者がDQ10のコンテンツの一つであるバトエン、特に先日開催されたバトエン大会でどのようにプレイしていたかを振り返りつつ、自身の考えを簡単に記述したものです。
よって本稿はあくまで個人的な感想や意見であり、「これさえやればあなたも勝てる!バトエン必勝攻略法!」のような類のものではまったくありません。
むしろ以下の記述を信じ、実行したことによって負けが込むことも大いにあり得ます。
特に自身の戦略や戦術に自信のある方はこんな適当な記述を鵜呑みにすることなく、批判的な視点でご覧ください。
バトエンはDQ10の各コンテンツの中でも比較的バランスが取れているゲームです。
完全に下位互換であるモンスターや使い道のないモンスターはおらず、ゲーム展開も常に変化するため、テンプレ的な解答や攻略法はありません。
基本を理解したら、あとはプレイヤー全員が自分なりのやり方で遊んでいけばそれで十分かと思います。
筆者が望むのはその一助となることのみで、それ以上ではありません。
大会結果
使用デッキと総合成績は以下の通りです。
【使用デッキ】
メインで使用したのは上の二つ。カイザー、グレドラが固定でそれぞれアークデーモンと若葉の精霊を追加しています。
ゴーレムを追加したタイプも試しましたが、こちらは100戦だけです。
下のボストロールやひくいどりを入れたタイプはさらに実験的な50戦のみの使用です。
筆者はHP至上主義なのでグレドラが735戦と最も多く、次いでカイザーが685戦でこの二体がメインでした。
以下アークデーモンが435戦、若葉の精霊250戦、ボストロールとゴーレムが100戦、ひくいどり50戦と続きます。
なお、デッキをいろいろ変更したのは単にデッキごとの勝率が知りたかったという理由で、
周りの環境や使用モンスターを見てデッキや戦術を変えるようなことは一切していません。
対戦相手などはチェックしていましたが、これはあとでデータを観測して楽しむためであって、何らかの対処をするようなことはしていませんし、できません。
(某所であったゴーレム採用云々の発言は筆者のものではありません。)
同様に特定のモンスターや構成の対策をする、いわゆる「メタる」ようなことも一切していません。
何も考えず自分のデッキと目の前の相手だけを見ていた、完全なる脳筋プレイです。
※おてう注釈:先日ブログに載せたこちらの「ひくいどり増えてきたのでゴーレム採用」は、別の上位入賞者の発言です。
なお使用アイテムは上やくそうとクイックケーキで固定です。
【総合成績】
1位 | 285回 | 36.3% |
2位 | 275回 | 35.0% |
3位 | 154回 | 19.6% |
4位 | 71回 | 9.0% |
回線落ち等 | 4回 | |
平均順位 | 2.014 | |
総獲得P | 55050 | |
獲得平均P | 69.9 |
調子のいい時も悪い時も、勝率のいいデッキも悪いデッキもありましたが、総合すると以上の通りです。
大会のシステム的に、基本的には無理に1位を狙わずに2位を狙い、それも無理なときにはせめて3位を狙いました。
デッキごとの成績は以下の通りです。サンプルが少ないものほど信頼性が低いです。
【カイザー・グレドラ・アークデーモン】
1位 | 126回 | 37.6% |
2位 | 116回 | 34.6% |
3位 | 67回 | 20.0% |
4位 | 26回 | 7.8% |
合計 | 335回 | |
平均順位 | 1.98 | |
獲得平均P | 74.3 |
メインデッキの一つで、平均順位、獲得Pとも一番安定していました。
【若葉の精霊・カイザー・グレドラ】
1位 | 84回 | 33.6% |
2位 | 101回 | 40.4% |
3位 | 45回 | 18.0% |
4位 | 20回 | 8.0% |
合計 | 250回 | |
平均順位 | 2.00 | |
獲得平均P | 73.6 |
同じくメインデッキの一つで、1位率は低いものの1+2位率だと上記より上でした。
【カイザー・グレドラ・ゴーレム】
1位 | 42回 | 42.0% |
2位 | 28回 | 28.0% |
3位 | 17回 | 17.0% |
4位 | 13回 | 13.0% |
合計 | 100回 | |
平均順位 | 2.01 | |
獲得平均P | 69.0 |
ゴーレムを入れたタイプです。上記2デッキと違いゴーレムがいる分クライマックスに強いです。そう悪くないのですが、ゴーレムの気分次第すぎるのが嫌で100戦でやめました。
【ボストロ・グレドラ・アークデーモン】
1位 | 19回 | 38.0% |
2位 | 14回 | 28.0% |
3位 | 11回 | 22.0% |
4位 | 6回 | 12.0% |
合計 | 50回 | |
平均順位 | 2.08 | |
獲得平均P | 58.0 |
ボストロを入れて対〇火力を上げたタイプです。結果はいまいちでしたが、もっと数をやれば違ったかもしれません。
【ボストロ・ひくいどり・アークデーモン】
1位 | 14回 | 28.0% |
2位 | 16回 | 32.0% |
3位 | 14回 | 28.0% |
4位 | 6回 | 12.0% |
合計 | 50回 | |
平均順位 | 2.24 | |
獲得平均P | 36.0 |
ひくいどりを入れて対〇火力をさらに上げてみたタイプです。結果はかなり悪かったですが、同じく数が少ないので運が悪かっただけかもしれません。
バトエンとは何か
こう書くととても哲学っぽい!
バトエンとは人生。バトエンとは真理。
まあそんな大げさな話ではなく、このゲームは何を取り合っているゲームなのか、
言い換えればどの行動がどうポイント換算されて有利不利が分かれていくゲームなのか、ということです。
端的に言うと、このゲームで取り合っているのは見た目通り相互のHPです。
自身の総HPが相手の総HPを上回っている状態を目指しながら最終的に一手勝ちを狙う、というのがこのゲームの基本的な姿です。
ただし一対一のゲームではなく四人同時に戦うゲームなので、そのあたりが少し複雑です。
その結果、HPや攻撃力、与ダメージや被ダメージの価値を誤解している人が多くいるように思います。
話を分かりやすくするため、簡単な例を挙げます。
低HP高火力のドラゴンゾンビと、高HP低火力の若葉の精霊の対戦です。
ドラゴンゾンビはHP110対☆32程度、若葉の精霊はHP160対☆19程度の能力ですが、
より例として分かりやすくするためゾンビを攻撃30、若葉を攻撃15とゾンビ有利に設定してみます。
例1:ゾンビ1匹vs若葉1匹
まずはドラゴンゾンビと若葉が1対1で戦う場合を想定してみます。
ゾンビが相手に30ダメージ、若葉が相手に15ダメージずつ与えていくと、以下のようにターンが進みます。
0ターン目 | 1ターン目 | 2ターン目 | 3ターン目 | 4ターン目 | 5ターン目 | |
ゾンビ | 110 | 95 | 80 | 65 | 50 | 35 |
若葉 | 160 | 130 | 100 | 70 | 40 | 10 |
HP差は1.5倍程度ありますが火力が倍違うので、ゾンビが4ターン目にHPを逆転し、5ターン目で勝利をほぼ確実にしました。
一対一の状況ではHPと火力の価値がほぼ1:1になるということが分かります。
ですが、これが四人対戦だとどうなるのでしょうか。
例2:ゾンビ3若葉1
今度はドラゴンゾンビ3人と若葉1人の4人対戦をした場合を見てみましょう。
0ターン目 | 1ターン目 | 2ターン目 | |
ゾンビA | 110 | 35 | |
ゾンビB | 110 | 35 | |
ゾンビC | 110 | 35 | |
若葉A | 160 | 70 |
ゾンビは他のゾンビ二体から計60、若葉から15の75ダメージを受けるので三体とも残り35に、若葉はゾンビ三体から計90のダメージを受けるので残り70になります。
次ターンの速度勝負になるのは明らかですが、どのゾンビが速度勝ちしても若葉が生き残るので、悪くても若葉は2位以上、運次第で1位が狙えそうです。
例3と例4では、ゾンビと若葉の比率を変えて計算してみましょう。
例3:ゾンビ2若葉2
0ターン目 | 1ターン目 | 2ターン目 | |
ゾンビA | 110 | 50 | -10 |
ゾンビB | 110 | 50 | -10 |
若葉A | 160 | 85 | 10 |
若葉B | 160 | 85 | 10 |
例4:ゾンビ1若葉3
0ターン目 | 1ターン目 | 2ターン目 | |
ゾンビA | 110 | 65 | 20 |
若葉A | 160 | 100 | 40 |
若葉B | 160 | 100 | 40 |
若葉C | 160 | 100 | 40 |
いずれのケースのいずれのターンを見ても、ゾンビが有利になっているとは言い難いように思えます。
このケースの場合ゾンビが速度勝ちしているので先手を取って勝利できる可能性もあるのですが、期待値的には若葉が有利になっていると言えるでしょう。
なぜ一対一では勝利できていたゾンビが、四人対戦になったとたんこうした不利な状況に置かれるのでしょうか?
それは、自HP(被ダメージ)の価値は一対一だろうが一対三だろうが変わらないのに対し、
自火力(与ダメージ)の価値は相手の数に応じて1/2、1/3になるからです。
人数が増える分ターン総ダメージに占める自身の割合が減る、と考えれば分かりやすいでしょうか。
たとえばゾンビ1の例4とゾンビ2の例3を比較すると、若葉が受けるダメージはゾンビが増えた分増加してはいます。
しかしダメージ60がダメージ75に増えるだけなので、25%しか増えていません。
これに対し、若葉とゾンビのHP比率は160と110のまま固定なので、高火力低HPのゾンビが相対的に不利になるというわけです。
もちろん、これを理由に常に高HPモンスターが強いとか、火力に意味がないという結論になるわけではありません。
いわゆる壁役のモンスターは火力だけでなく素早さも低いものが大半なので、最後のターンに素早さの差で先に倒されてしまうことも多いですし、
上記の通りクライマックスなどになれば火力の重要性はさらに増してきます。
ただ、少なくとも序~中盤にかけてはHPと火力の価値は1:1ではない、ということは頭に入れておくほうが良いと思います。
もっとはっきり言ってしまうと、頑張って相手を倒すよりも自分が生き残ることの方がずっと重要、ということです。
戦略的なおはなし
続いて全体的な状況についてのおはなしです。
下記の表は大会の期間中に対戦した相手の使用モンスターの割合と、開幕1ターン目の使用割合(チェンジアタック率+スタメン率)を一覧にしたものです。
例えば1番のゴーレムなら遭遇数は1207なので遭遇率は52%、実に二人に一人以上のプレイヤーが使用していたことになります。
逆に23番のキラーマシン2以下のモンスターは1%台のプレイヤーしか使用していなかったということで、かなりのレアモンスターです。
大半のモンスターは遭遇率5%以下なので低く感じるかもしれませんが、実際には相手は3人同時に出てくるので、実際の遭遇率はこの3倍になります。
遭遇率が5%もあれば6戦に1回程度は遭遇するということになり、見た目の数字よりはよく遭遇すると感じるかもしれません。
右側のチェンジ率とスタメン率はそれぞれ1T目のチェンジアタックで出された割合とスタメンでそのまま出され続けた割合で、これを合計したものが1率になります。
同様に2体目、3体目で出された割合が2率、3率になります。
基本的に1率の高いものほど3率が低く、逆に1率の高いものほど3率が低くなります。
以下のデータをある程度頭の中に入れておくことで、相手の構成と手の中に残っているモンスターを推測する際の精度が気休め程度上昇する・・・かもしれません。
相手の使用モンスター詳細データ
正直なところ、表の下半分くらいは遭遇数(サンプル数)が低すぎるのであまり数値に意味はありません。
特に重要なのは15番目くらいまでになります。
☆の上位モンスター
上から順に見ていくと、ゴーレムの1T率は32%で平均的ですがグレドラが44%とかなり高く、逆にチャッピーが12%と著しく低いことが分かります。
☆モンスターの1Tでの使用数を見るとグレドラ329が圧倒的で、そこからはるか離れてセルゲイ107、しにがみ100、チャッピー85、若葉53となります。
ここから分かることは、序盤に出される☆モンスターはかなりの割合でグレドラになり、逆に終盤に出される☆モンスターの大半はチャッピーになるということです。
○の上位モンスター
次いで〇の上位モンスターについて見ていくと、カイザーが1T率57%と異様に高く、逆にアサシンが22%とかなり低いということが目を引きます。
つまりカイザーは1T目に壁として使われる割合が圧倒的に高く、逆にアサシンはクライマックス用に温存される割合がかなり高いということです。
〇は☆と違ってゴーレムの採用数が圧倒的に多いので終盤の〇をアサシンと決めつけることは危険ですが、だいたいこの二体のどちらかが終盤に残されがちです。
ゴーレムをすでに使っている人の三体目〇はかなりの割合でアサシンと思って間違いではないと思います。
1ターン目のチェンジ率
また〇についてもう一つ目を引くのが、バサラーナの1Tチェンジ率43%という非常に高い数値です。
バサラーナ使用者にはとにかく1ターン目にカウンターを決めたいという人がかなり多かったことがよく分かります。
1Tチェンジと言えばアサシンアタックの印象が強いですが、これはバサラーナよりかなり低い16%程度で、1Tにいきなり繰り出す人は意外と少なかったということでしょう。
他に絶対数は多くないのですが、スライムナイトも1Tチェンジ率31%と相当高いです。
開幕は場にカイザーやグレドラといったドラゴン系壁モンスターが複数いる場合が多いので、チェンジドラゴン斬りを狙っているプレイヤーがそれなりにいたのでしょう。
いきなりステーキ
また、開幕ぶっぱというとプリズニャンのステーキタイガーライガーの印象が強い人も多いと思います。
ですが、プリズニャンのスタメン率は25%と意外に低く、大半の人は開幕にそうした大振りを行うことはせず、温存していたことがわかります。
それでもこれだけ印象に残るのですから、それだけ食らった時のショックが大きいということなのでしょう。
※おてう注釈:前回の記事で「いきなりステーキ」の話が出てきましたが、ルビさんは開幕にいきなりバトルステーキを使ってプリズニャンに特攻させる行為を「いきなりステーキ」と呼んでいたようです
○☆の割合
最後に全体的な〇☆の割合について述べておくと、総数では〇59.3%☆40.7%になりました。
つまり場に出てくるモンスターの割合は〇の方が1.5倍ほど多いことになるので、手札を対☆特化などで固めてしまうと手詰まりになる可能性がかなり高いです。
あまりどちらかに特化させるのは危険ですが、特化させるなら対〇のほうが有効な状況が多くなるでしょう。
もう一つ付言すると、一体目に出される割合では〇61.8%☆38.2%とさらに〇の割合の方が高く、
逆に二体目以降について見ると〇58.1%☆41.9%と☆の割合が比較的高くなります。
これは☆の主要モンスターの多く、特にチャッピーが三体目に温存されるためでしょう。
つまり序盤は対〇火力がさらに重要なのに対し、終盤は相対的に対☆火力の重要性が上がるということです。
おまけで失敗談を一つ。
今回は全モンスターの〇☆それぞれについての期待値を掲載していませんが、
序盤、終盤ごとのモンスターの出現割合と全モンスターの期待値を乗算して合計することで、
理論上は序盤、終盤で対〇、対☆どちらへの攻撃がより厳しくなりがちなのかを大まかに知ることもできます。
具体的な戦術は場に出ている実際のモンスターを見て考えますが、〇☆〇型と☆〇☆型のどちらが被ダメージを抑えることができるのか、といった戦略的な部分での判断に用いることができる・・・はずでした。
ですが、結果的に対〇火力も対☆火力もそこまでは差がつかず同程度の数値になっていて、判断がつきませんでした。
〇出現比率の高さを考えると、対〇火力の方がもっと大きくなっていてもおかしくはないはずなのですが・・・。
以上はあくまでもマクロレベルでの情報で、個々の局面にそのまま適用できるわけではありませんが、
こうしたことを頭の片隅に止めておくとより無駄の少ないモンスター運用が可能になるかと思います。
戦術的なおはなし
次はより個別的な状況で何を優先して動くのかというおはなしです。
【基本は防御】
どんなゲームでもだいたい攻めは楽しく、守りはストレスがたまるものです。
それはバトエンでも例外ではなく、チェンジアタックで三体同時に倒した時などは快感です。
しかし、ことバトエンに限っては守りを優先した方が平均的な成績がよくなりがちです。
これが1対1のゲームなら攻めと守りの比重は基本1:1になるのですが、
バトエンは4人が同時に削り合うゲームなので、自分1人が多少がんばって攻撃したところで周囲への影響はさほど大きくなりません。
これに対して、自分への防御は自分1人に対してダイレクトに働いてくるのでとても重要です。
これについてはすでに述べた通りなので詳しくは省きます。
とは言っても基本的にエンピツを転がして出目に期待するしかないこのゲームでなにを努力するのかという話ですが、やれることは基本的に1つしかありません。
つまりチェンジアタックです。
チェンジアタックという名称ですが、筆者はこれを基本的にチェンジディフェンスだと捉えています。
つまり〇への攻撃が厳しければ☆に逃げ、☆への攻撃が厳しければ〇に逃げる。それだけです。
※おてう注釈:チェンジの使い道は、チェンジアタックで相手に攻撃するためではなく、相性の悪い相手から攻撃が来る前に他のバトエンに交換する、ということです。
たった2回しか使えないチェンジを無駄に消費するのは避けたいので、重要なのはどのタイミングで逃げるかということです。
そのために活用したのが下記の表です。
【〇-☆期待値表】
数値は各モンスターの対〇期待値から対☆期待値を引いたものです。
プラスの数値が大きいものほど〇に強く、マイナスの数値が大きいものほど☆に強くなります。
全モンスターの対〇、対☆それぞれへの期待値表はここではさほど重要ではないので省きます。
重要なのはそれぞれのモンスターがどの程度〇に強く、☆に強いのかという偏りの程度です。
絶対値5以下のモンスターは基本的にバランス型なので、特に気にする必要はありません。
絶対値10以上のモンスターは〇/☆に強いと言っていいタイプで、このあたりから気に留めます。
絶対値20以上のモンスターは完全な特化型で、一体いるだけで場の状況を左右します。
筆者の個人的な行動指針は以下の通りです。
・場にいる三体のモンスターの期待値を合計する。
・期待値が10程度までなら基本的に無視して我慢する。
・期待値が20程度なら場の状況を考えつつ1ターン様子を見ることもあるが、基本的に逃げる。
・期待値が30程度ならよほどの理由(ほぼチェンジしてくると読める等)がない限り逃げる。
・期待値が40程度なら何も考えずに逃げる。
なお数値には全く根拠はなく、適当です。
冒頭でも書きましたが、筆者の理論なるものは超適当なのであまり当てにしないでください。
一応の理由としては、自分がチェンジするときはほぼ攻撃を放棄してチェンジディフェンスするわけですが、
場にそのままとどまった場合、平均すると場の全員に期待値20弱程度のダメージを与えることができるはずなので、
そのくらいのダメージを減らすことができないと今一つ割に合わないかなという程度の判断です。
ただ、先逃げとは矛盾する話にもなりますが、できるだけ自分からはチェンジを使わず、相手に先に使わせたいという考えもあります。
チェンジで期待値的に自分が有利になる状況を作れたとしても、それが1ターンだけだと効果は薄くなります。
できれば相手がもうチェンジしてこない、できないという状況で安全地帯に居残りたいので、
特に開幕の1ターン目については不利でも逃げを我慢することも多々ありました。
このあたりのバランス感覚は難しいところで、何が正解なのか筆者にもよく分かりません。
例1
場にいるのが★あらくれチャッピー、●バサラーナ、●ゴーレムの三体という状況だったとします。
-19のチャッピーがいるので●に逃げたくなりますが、+10のバサラーナとゴーレムの期待値も合計するとプラスマイナス0に近くなるので、ここは逃げる意味がないと分かります。
例2
場にいるのが●キラーマシン(+22)、●カイザードラゴン(+2)、★グレイトドラゴン(-5)の三体という状況だったとします。
期待値合計は20程度になるので☆に逃げたくなりますが、場にいるカイザーが同じことを考えてグレイトドラゴンに逃げる可能性がかなり高く、迷います。
お互いが同時にチェンジした場合結局50ダメージを受けることになってしまうからです。
(序盤にカイザーが逃げる先はかなりの確率でグレイトドラゴンです。)
人によって好みはあると思いますが、筆者はこれくらいでも大体の場合逃げます。
例3
場にいるのが●キラーマシン(+22)、●バサラーナ(+10)、●ゴーレム(+10)の三体という状況だったとします。
期待値合計が40程度になるので即逃げです。
たとえ手持ちが★グレイトドラゴンなどのチェンジで●にダメージを出せない★モンスターだったとしても気にしません。
先ほどと同じくグレイトドラゴンにチェンジされると怖いのですが、この状況だとバサラーナはほぼ確実に、ゴーレムもあまりチェンジしません。
先のカイザーと違い、バサラーナはキラーマシンと戦える数少ない●モンスターで、ゴーレムも対〇打点が高くキラーマシン対策として有用なモンスターだからです。
チェンジするとしても●に対して有効な★を出してくるはずなので、★に逃げた自分には被害はないはずです。
実際はそんな甘い読みをあっさり裏切られることも多々ありますが…。
【次ターン以降を予測する】
いわゆる先読みはうまいこといくと気持ちいいのですが、期待を裏切られると目も当てられないことになるので、個人的にはあまりしません。
ただ、露骨に予想できる場合も一部あるのでそうした場合には対応します。
例1:場のモンスターが二体やられ、自分ともう一人の☆モンスター二体が残った。
やられた二人が☆に対して強いモンスターを選んでくる可能性がかなり高いので、先読みして〇に逃げます。
とは言え、二人とも残り一体で選択の余地がないなどの場合はそうしたことはしません。
例2:いわゆるテンプレ的な構成で二体目までを倒した。
たとえば一体目バサラーナ、二体目ゴーレムを倒したあとの三体目☆はほぼあらくれチャッピーですし、
一体目ゴーレム、二体目あらくれチャッピーを倒した後の三体目〇はほぼアサシンエミューです。
アサシンエミューはともかく、チャッピーが露骨に予想できるときなどは事前に〇に逃げます。
最後にチャッピーや死神貴族といった☆特化の多段持ちが出てくる割合はかなり高いので、そうした時に逃げられるよう終盤まで〇一体は残しておきたいところです。
対戦成績と相性
最後に、今回対戦したモンスターそれぞれとの対戦成績、つまりそれぞれとの相性の一部を掲載しておきます。
数値は対象となるモンスターが対戦相手9体の中に含まれていた場合と、含まれていなかった場合の平均順位を比較して、その差を求めたものです。
この差がプラスであるほどそのモンスターとの相性がよかったということになり、逆にマイナスであるほどそのモンスターに負けていたということを意味します。
あくまでも筆者の使用デッキや戦い方に対して相性が良かった/悪かったモンスターであり、一般的に強いモンスターとか弱いモンスターを意味するわけではありません。
対戦数がそのモンスターがいた戦闘、非対戦数はそのモンスターがいなかった戦闘です。
対戦数、非対戦数のどちらかがあまりに少ない戦闘はデータの信頼性が低いので、あまりあてになりません。
例えば、あまりに出現頻度が高すぎて「いなかった戦闘数」が90と少なすぎるゴーレムは相性が良かったのか悪かったのかよく分かりません。
ナスビナーラ以降のモンスターは逆に対戦数が少なすぎ、こちらもよく分かりません。本当に参考程度です。
そのあたりを除いて比較的対戦数、非対戦数が揃っているあたりを見ていくと、
まず相性が良かったと言えるのはアサシンエミュー、次いであらくれチャッピーでした。
どちらもクライマックスまで行けば化けるモンスターですが、1~9Tでの使い勝手が悪すぎるので、かなり工夫しないと難しいモンスターだと思います。
他、バサラーナやたけやりにも相対的に勝ち越しているようですが、こちらはそこまでの差はありませんでした。
逆に相対的に苦戦していたのがカイザードラゴン、しにがみきぞく、若葉の精霊にひくいどりといったあたりでした。
ひくいどりを除くとどれも壁能力の高いモンスターで、筆者の防御重視の戦い方だとこれらが突破できず苦戦を強いられたことが見て取れます。
特に1Tからカイザー四体でのにらみ合いなどになってしまうと完全な出目勝負になるので、あまり介入の余地がなくきつかった印象があります。
逆に火力重視の戦い方にしていればカイザーや若葉を駆逐できたかもしれないので、このへんはプレイヤーの使用デッキによるのでしょう。
現在はチャッピーやエミューの使用数が多い環境なので、結果的には筆者の戦い方が有効だった部分もあったのでしょうが、環境が変われば有効な戦法もまた変わってくると思います。
おわりに
長くなりましたが、プレイする際に筆者が考えていたのは大体以上のことです。
…というのはウソで、実際に考えていたのは以下のようなことだけです。
「こっちにファイナルブロー撃たないで!あっちに撃って!」
「こっちにアサシン当てないで!あっちに当てて!」
「☆にライガー飛ばさないで!ちゃんとタイガーして!」
「〇にばくれつしないで!ちゃんと☆に攻撃して!」
「☆に矢とか撃たないで!ちゃんと〇に攻撃して!」
考えていたというか祈ったりため息ついたりしていたというだけですが…。
これに自分のモンスターの「ミス!」とかも加えるとさらにストレスは加速します。
正直アサシンは3人同時抜きとかならたいして困らないのですが、☆ファイナルブローやステーキライガーで自分だけ抜かれるのは本当に困りました。
このへん連発されて数ターンで全滅させられる時とかは本当にどうしようもなかったです。
しかも悪い時はそうした展開が連続するので、こうした運ゲーによくある理不尽感に投げ出しそうになります。
というか投げました。コントローラーを。
期待値がどうのと偉そうなことを書いてきましたが、結局のところ最後に試されるのは精神力とストレス耐性だったような気がする今回の大会でした。
次回以降も参加される方はどうか不屈の精神力で頑張ってください。
僕(おてう)の感想
ということで、ルビさんの原稿はここまでです。お疲れさまでした!
僕(おてう)が読んだ感想として、まずルビさんがバトエン選びで重視している「攻撃よりHPが重要」という戦略が、多くの人にとって意外だったのではないでしょうか。バトエンに慣れている人でも、3本ともHP重視で揃えていた人は少なかったように思います。ルビさんはあくまで個人的な感想や意見であるとしていますが、この戦術が浸透してくることがあれば、また一気にバトエン環境が変化するかな?と思います。
今回ルビさんがスタメンに使ったバトエンについても、HPがいずれも140~160であることが全てを物語っているように思います。なお素早さが低い点は気にしていないそうで、将棋で言うところの「一手差」で勝てばいいので、最後にクイックケーキを使えば素早さは気にならないそうです。
こういう戦術を公開することで、勝てなくなってしまうのでは?とルビさんに聞いたのですが、自分の勝率よりバトエンプレイヤーが増えることの方が重要と言っていました。
僕としても、こういったバトエンの戦術考察を通じて、バトエンというコンテンツ自体の面白さが広まっていくと良いなあと思います!
コメント
プレイ時間すごいねで終わってしまった
確率だの期待値だの
さすが東大卒だねってのが感想。
集めんのくそめんどいからしない。
半分も理解できてないと思うけど
それでもちょっとバトエンやってみようかなーと
思えた記事でした。一位の人はやっぱりすごいですね
記事が長すぎて、読んでもよくわからない。
エンピツ転がすだけの運ゲーに戦略はあるの?
そもそもやらないから、どうでもいいけど。
思いのほか記事長くてビックリしたw楽しいけどイベントで景品あるときしかやらないかな(・ω・)
転がす以外にモンスター選択、交換とアイテム使用の選択肢があります。
状況をみて最も勝率の高い選択をできる人が最終的に残る。
運ゲーと呼んで期待値を読むことを放棄した人間が多いうちは戦略ゲームになるとおもう
皆が皆同じレベルになってはじめて運ゲーとなると思う
大会中ルビおじと一回当たった時ゴーレム入りの奴で負けたんだけどそのデッキをコピってやったら勝率一気にあがって1000位以内入賞できた
全部読んだぜ!サンキュールビおじ!
こんなものにここまで時間かけれるのが凄い!やっぱ一位はすごいなぁ。
ピックの時もこの上位の面子ばかり即封印される印象あったけどやっぱ使用率高かったのか
色々考えてることはわかったが、ちょっと長くて普段バトエンやってない私には理解できなかった。いきなりステーキだけ覚えた。明日食べに行ってくる