DQ10第3回バトエングランプリ考察(マイデッキ部門)

バトエングランプリ優勝者による戦術紹介

第3回バトエングランプリ・マイデッキ部門で1位になったルビさんによるバトエングランプリ考察記事です!

ルビさんは第1回の時も1位になり、考察を書いてくれています。

バトエンGP1位ルビさんによるバトエン考察!
昨年開かれた公式イベントのバトエングランプリで1位に輝いたルビさんから、「バトエン考察」という文章をいただきました! 今回はルビさんの原稿をもとに、僕(おてう)が所々にスクショを入れたり細部を編集したものを公開します。...

本来は手の内は明かさない方が得だと思うのですが、バトエン自体の魅力を発信することで、プレイヤーが増えればとのことで、今回も詳しいレポートを公開してくれました。

ではここからルビさんによるレポートです。

※途中の画像と画像のコメントはおてう編集です。

DQ10第3回バトエングランプリ考察(マイデッキ部門)

さる2022年1月26日から2月6日にかけて開催された第3回バトエングランプリ(マイデッキ部門)において、筆者は1位という望外の結果を得ることができました。以下はその過程について、戦術面とデータ面から簡単に紹介するものです。

勝率等の詳細はデータ編に譲りますが、最終的な使用デッキは以下のものでした。

「グレイトドラゴン、シャイニング、大王イカ」

▲最初に★を出して●同士の潰し合いを見守る(後述)

▲平均火力が高く、チェンジアタックも強力

▲HPが高く攻防のバランスも良い

<1. 基本的な考え方>

大前提としてバトエンの基本的な戦術は
「他者をつぶしあわせ、自分は安全圏に逃げる」
という(卑怯な?)ものです。
分かりやすい例としては「チャッピー×3のバトルを〇から見守る」、「キラーマシン×3のバトルを☆から見守る」などです。
どのようにしてこうした状況を作り上げていくのか、ということが行動の基本的な指針になります。

そのための具体的な戦術ですが、このゲームで使用率の高いモンスターには、
「〇に強い〇」「☆に強い☆」
の二種類しかいません。
ゴーレムやおおさそり、チャッピーに大王イカなど、使用率上位10種のモンスターはみなそうです。
(ガチャコッコやアークデーモン、ボストロールなどが例外ですがこれらの使用率は10位以下です)

つまり○は〇と、☆は☆と、勝手につぶしあってくれる可能性が非常に高いので、
「場に〇が多い時は自分は☆に、逆に☆が多い時は〇に」
という形を作ることを意識して戦うことが重要になるわけです。

以上を踏まえた筆者の基本的な戦術プランは以下の通りでした。

  • STEP1:開幕の壁モンスターは大半が〇(ゴーレム、カイザー、大王イカ)なので、彼らのつぶし合いを☆グレドラで見守る。
  • STEP2:壁がある程度消耗したところを、☆シャイニングのチェンジアタック(〇30×2)で一気に破壊する。
  • STEP3:続いて〇大王イカのチェンジアタック(〇40)で残った壁を倒し、出てきた☆(チャッピー、さそり)同士のつぶし合いを見守る。

これはあくまでも理想で、実際には出てくる相手も行動運もバラバラですから、この流れにハマって完勝できるのは2~3割程度でした。
ただその他の場合でもできるだけこの流れを意識しつつ、少しでも自分が優位になるように行動しました。

<2. 主要モンスター対処法>

ここからは大会で目立っていたいくつかのモンスターをピックアップしながら、その対処法や戦術について簡単に見ていきたいと思います。

2.1 カウンター・シャイニング

おおさそりゲーの印象が強かった今大会ですが、実際は大会の中盤以降にカギになっていたのはシャイニングの使い方、
つまり「いつシャイニングを出すのか、出されるのか」という読み合いだったように思います。

そもそもシャイニングとはどういうモンスターなのかということですが、最大の特徴は「☆でありながらチェンジで〇に60という最高火力を出せる」という点にあります。
上述したように、このゲームの人気モンスターの大半は「〇に強い○」か「☆に強い☆」のいずれかです。
つまりゴーレム同士やチャッピー同士がチェンジすると正面からの相打ちとなるのに対し、シャイニングは安全圏から〇に大ダメージを与えられるわけです。
それが弱点でもあり、相手がチャッピーやさそりにチェンジしてくると攻撃が外れる上に一方的に大ダメージを受けます。
そんなわけでうまくカウンターが決まれば強力なものの、失敗すると逆にカウンターを受けるというのがこのモンスターです。

(そういう面倒くさい話とは別に、シンプルに平均火力1位のモンスターでもあるので、適当に開幕から場に出しておくだけでも雑に強いです)

上記のように筆者は敵前衛をシャイニングのチェンジアタックで倒すことを狙っているわけですが、
そんなことは当然敵のプレイヤーも考えていて、それを避けたり逆にカウンターを入れたりしてきます。

実際に何度か見たのが、3,4ターン目まで削り合いで全員に一切動きがなかったのが、HPがある程度減ると急に何人もがチェンジする、という展開です。
例えばそれまで壁4体で静かに削り合っていたのが、4ターン目に全員一斉に「シャイニング、シャイニング、グレドラ、おおさそり」にチェンジしたという戦闘がありました。
この時は最速のおおさそりが全員をマヒさせて止めたわけですが、次どうするかも悩みます。
マヒったままではおおさそりに続けて攻撃されますが、全員一斉に〇に逃げれば大王イカなりゴーレムなりでお互い相打ちになって結果大ダメージを負うからです。
こうした読み合いが勝敗の分かれ目で、バトエンの醍醐味の一つでもあると思います。

筆者のシャイニング対処法ですが、結局〇モンスターだとシャイニングがいつ飛んでくるか分からないので、〇を出している時間を極力減らすという方針に落ち着きました。
☆グレドラを壁として採用した理由の一つはこのシャイニング対策です。

2.2 猟奇犯おおさそり

2ターン行動不能のマヒ攻撃を2マスも持つおおさそりは、今大会最大のインフルエンサーだったと思います。
マヒったまま何もできずおおさそりに切り刻まれ、悪夢に苛まれたプレイヤーは数知れずとか。

▲6分の2で★をマヒさせる

ちなみに筆者は最大6ターン連続で「マヒこうげき」を食らい続けたことがあります。
マヒは食らうたびに延長されるので、無抵抗のまま全モンスターがおおさそりに完封される光景もよく見られました。

対策はいくつかあったと思いますが、主流なのは以下の2つだったと思います。

  • ①自分もおおさそりになる
  • ②マヒ無効のマシン系で戦う

上位陣にはわりと②の人が多かったようで、キラーマシンを採用している人が非常に多くいました。

では筆者のおおさそり対策は何かということですが…「何もしていません」。
あきらめて切り刻まれていました。序盤もクライマックスも。
特にクライマックスでおおさそりとの1on1に勝とうと思ったらマシン必須なのですが、今回はレギュレーション的に無理に1位を狙う必要がありません。
「1番よりNo2!」「2番じゃダメなんですか?」などの格言もある通り、2位でいいのです、本当に。

おおさそりは「行動不能にされて悲しい」だけであってダメージ的にはたいしたことはない(上記のシャイニングなどのほうが脅威)ので、
おおさそり対策にリソースを割くより、全体的な被ダメージ量を抑えることのほうを優先しました。
むしろおおさそり対策として意識していたのは「どのようにおおさそりと戦うか」ではなく、
上述したような「どのようにおおさそり同士を戦わせる展開に持って行くか」ということでした。

2.3 「パワフルステーキ!」「パワフルステーキ!」「パワフルステーキ!」

しにがみきぞくやガチャコッコなど含め、最後に「ステーキ+チャッピー」を持ってくる人が多くいます。
これと正面から戦っても純粋に行動速度とばくれつ運の運ゲーになってしまうので、正面から戦うのは避けるべきです。

▲ステーキで10ダメ×4回が40ダメ×4回に変わる

こうしたクライマックス対策として有効なのが、「HP10のデコイを作っておく」ことです。
具体的には残りHP10~30程度にまで削られた壁モンスターをそのまま死なせず回収し、最後に一回限りのシールドとして「ステーキ!×3」が予測できるときにチェンジで出すという方法です。

チェンジ回数が残っていなければ、最悪保険としてストックしておくだけでも構いません。
ステーキ合戦が繰り広げられて自モンスターが吹っ飛ばされたとしても、ストックが残っていれば負けにはならないからです。
そうして最後の生き残りと戦う(=即やられる)だけで2位になれますし、他に生き残りがいる場合もクイックケーキで最後のあがきをすれば2位に滑り込める可能性は高いです。

<3. コンセプトデッキ紹介>

それぞれのプレイヤーが自分なりの意図を持って参加してくるのがマイデッキ部門です。
そうしたコンセプトデッキの中には明確な目的意識のあるものも多く、そうした相手の意図を感じられると非常に面白いものなので、ここではそのいくつかを紹介してみたいと思います。
(なお、相手の意図は筆者の想像に過ぎませんのであしからず)

① しにがみきぞく → シャイニング → ????

開幕しにがみきぞくで脅して敵を〇に移動させ、そこをシャイニングで一掃することを狙ったデッキ。
しにがみ以外にも、開幕おおさそりや開幕ガチャコッコで〇への誘導を試みている人もいました。

▲しにがみきぞくは★への攻撃が強力な★

② ワイトキング → くさった死体 → ????

①の逆で、開幕ワイトキングで脅して敵を☆に移動させ、くさった死体で攻撃することを狙ったデッキ。
くさった死体のチェンジ毒こうげきは☆40+毒20もあり、総ダメージではシャイニング並です。
同様に「ボストロール→メタルドラゴン」などを狙っている人もいました。

▲ワイトキングは●に強い●

③ ボストロール → キラーマシン → ????

徹底して〇を殺すことで敵を☆に移動させ、☆同士につぶし合わせることを狙ったデッキ。
それでも〇に入ってきた敵はキラーマシンで倒す、という感じでしょうか。

▲ボストロールは●に強い★

④ ひくいどり → シャドー → ????

ブレス攻撃に特化した構成。今回の大会では物理ガードやスカラ持ちのマリンやバサラが多く採用されていたので、物理防御無視のブレスや呪文はかなり有効です。
特にひくいどりは上位陣でも採用している人がかなり多くいました。

▲スカラやカウンターの影響を受けない攻撃が得意

⑤ ???? → シルバーマント → ボーンバット

シルバーマントで呪い、そこからボーンバットでの追撃と呪い継続を狙ったデッキ。
ボーンバットはミスなしの全マス攻撃という唯一のモンスターで、火力も追加効果も強力です。HPと速度が弱点ですが、それを呪いで補っていました。
個人的におおさそりのマヒはチート感があるのですが、ボーンバットの呪いにはロマンを感じます。

▲チェンジアタックで★に呪いをかけられる

▲ボーンバットは●☆双方に呪い攻撃できる

<4. おわりに>

バトエンは運要素の強いゲームなので、特に自分が明らかに「ついていない」時には不条理に感じることもあります。
実際、上述したようなプランを持っていたとしても「開幕ファイナルブロー!」「開幕アサシンアタック!」などであっさり崩壊することも多いです。
というか運は平等ですから、当然4戦に1回は「自分が一番ついていない」展開になります。

重要なのは、思い通りに運ぶ時に綺麗に勝つことではなく、こうした「ついていない」時にラスを回避すること、可能なら2位に滑り込むことだと思います。
筆者が高耐久の壁モンスターを多めに採用しているのはそれが主な理由で、開幕に攻撃が集中して一人沈み状態にされた時は攻撃を放棄して生存に全振りしつつ、とにかくクライマックスまで生き延びます。
そこから2位ないし3位の目標を定め、クイックケーキなども駆使して「同時撃破されての2位or3位」を目指します。
個人的には綺麗に1位を取った時より、不利な状況からこうして2位に滑り込んだ時の方が嬉しいです。

時に敵と戦っているというより、ダイス運と戦っているような気がすることもありますが、ついていない時でも投げやりにならず、期待値を追っていけば長期的には結果はついてくると思います。

…ただしコントローラーを放り投げても壊れないよう、下にマットは敷いておきましょう。

データ集

こちらでは大会中に遭遇したモンスターの総数などを簡単に紹介します。

<大会の環境>遭遇数20位まで

順位名称種別遭遇数1番手
1ゴーレム1086448
2おおさそり970190
3あらくれチャッピー95279
4カイザードラゴン539392
5マリンスライム531280
6大王イカ520239
7アサシンエミュー408100
8キラーマシン36966
9シャイニング33391
10グレイトドラゴン260108
11バサラーナ259102
12ガチャコッコ22520
13しにがみきぞく20944
14ひくいどり157104
15ナスビナーラ13531
16テンツク11943
17アークデーモン11625
18プリズニャン10442
19キラージャック10139
20ボストロール10019

1番手は総数のうち開幕から壁として使われていた数です。

圧倒的に多かったのがゴーレム、おおさそり、あらくれチャッピーの3体です。

この3種を順に出す「ゴーレム、おおさそり、あらくれチャッピー」というデッキもかなり見ました。

(このように☆特化を2体以上入れている人はかなり多くいました)

手元にある第1回時のデータと比較すると、大きく数を減らしているのは

  • グレイトドラゴン(2→10位)
  • アサシンエミュー(4→7位)
  • プリズニャン(6→17位)
  • しにがみきぞく(7→13位)
  • セルゲイナス(8→41位)

といったところです。

エミューは純粋に新モンスターが上に何体か入った結果だと思いますが、☆の上位モンスターがチャッピー以外軒並み大きく低下しているのが目につきます。

これは明らかに「おおさそりが場にいると☆が機能しない」ということを嫌ったプレイヤーが多かったことを示していると考えられます。

そんなわけで以前の記事で紹介した☆モンスターの一部は今回の環境では使いにくかったかもしれません。どうも申し訳ありません。

<大会の環境>ランキング上位10位まで

次に最終的にランキング10位までに残った方のうち、筆者自身を除いた方のデッキに入っていたモンスターを個別カウントしたものです。

なお使用デッキはその方が最終的に使用しているのを見たものからカウントしましたが、一部の上位の方についてはデッキを2種類カウントしました。

順位名称種別採用数
1キラーマシン6
2シャイニング5
3おおさそり4
3ひくいどり4
5ゴーレム3
5大王イカ3
7カイザードラゴン2
7ガチャコッコ2
7しにがみきぞく2
7グレイトドラゴン2
11アークデーモン1
11あらくれチャッピー1
11若葉の精霊1

「上位が使っている」ことと「強い」ことは全然イコールではありませんが、全体と比べた時の違いは

  • 「キラーマシンとシャイニングが多い、ひくいどりもやや多い」
  • 「チャッピーが少なく、マリン、エミュー、バサラが全くいない」
  • 「全体的に壁モンスターの割合が少ない、特にゴーレムは全体割合と比べると少ない」

あたりでしょうか。

壁系が少なくキラーマシンやシャイニングが多いという点からは、耐えるより能動的に場を動かしていことするプレイヤーが多かった、と言えるのかもしれません。

<大会の環境>ランキング上位20位まで

順位名称種別~10位~20位
1キラーマシン610
2おおさそり47
3シャイニング56
3ひくいどり46
3大王イカ36
3カイザードラゴン26
7ゴーレム35
7あらくれチャッピー15
8グレイトドラゴン24
9ガチャコッコ23
9しにがみきぞく23
10アークデーモン11
10若葉の精霊11
10マリンスライム01
10バサラーナ01
10キラージャック01

ランキング10位までと比べると以下のような感じになると思います。

  • 「全体的な傾向はかなり似ている、特にキラーマシンが人気」
  • 「チャッピーもこちらではそれなりに採用増」
  • 「マリンやバサラ、エミューは同様にあまり人気がない」

<戦績>

最後に筆者の使用デッキと戦績を載せます。

①から⑤までが試行錯誤していた途中のもので、最終的にメインで使用したのが⑥でした。

平均順位はそのまま意味で、ポイントは1戦あたりの平均獲得ポイントです。

開幕〇型(〇☆〇)

モンスター1モンスター2モンスター3平均順位ポイント
カイザードラゴングレイトドラゴン大王イカ2.1270
大王イカグレイトドラゴンアークデーモン2.03101
大王イカグレイトドラゴンキラーマシン2.1275

開幕☆耐久型(☆〇☆)

モンスター1モンスター2モンスター3平均順位ポイント
若葉の精霊大王イカグレイトドラゴン2.1479
若葉の精霊カイザードラゴングレイトドラゴン2.0787
グレイトドラゴンシャイニング大王イカ1.95109

総計 平均順位2.05 平均ポイント94.4

全体順位比率 1位33.8% 2位36.9% 3位19.9% 4位9.4%

⑥の順位比率 1位37.7% 2位37.4% 3位16.6% 4位8.3%

平均順位は50戦ずつ区切ってみても、1.7くらいから2.3くらいまでの間で大きくブレており、調子による波が激しいです。

最終的な⑥のデッキ(防御重視+攻撃)にしてからはそれなりに安定しましたが、耐久全振りの①~⑤の戦い方の間はかなり苦戦しました。

上位の人のデッキを見ると大体の方がもっと攻撃寄りに組んでいるので、筆者ももっと攻撃寄りにすべきだったのかもしれません。

最後に付言しておきますが、筆者は今回幸運にも1位を取れただけであって、時間あたりのポイント伸び率が筆者より上だったと思われる方も上位には何人もいます。

結果的に筆者が1位だったのは、今回時間が潤沢に使えたおかげでプレイ時間=戦闘回数が上位の中では上だったからであって、別に筆者の実力やデッキが優れていたからではないと思います。

ですので、データや環境面はともかく、戦術面についてはあまり信頼せず、一参加者の考察として楽しんで読んでもらえれば幸いです。

ともあれ、大会参加者のみなさん10日間本当にお疲れさまでした。

次回がいつあるのかは不明ですが、また参加できればその時はよろしくお願いします。

(次回までにおおさそりが修正されていることを切に願います…)

コメント

  1. おてうさんにいい事教えます。日替わり討伐に強戦士の書が入るのは名声レベル45からですよ~